「選挙公報」作成時にハマったこと

タイトルはIT系のブログによくあるタイトルです。何かやろうとしたときに難しかったポイント、というニュアンスです。

タイトルの通りですが、「選挙公報」と呼ばれるものを作成しています。

選挙公報とは?

「選挙公報」というのは公職選挙法によると

公職の候補者の氏名、経歴、政見等を掲載した

ものということになっています。衆参両議院議員および都道府県知事の選挙では発行が都道府県の選管に義務付けられていますが、それ以外の選挙では各自治体が条例により定めることとなっています。基本的に全戸配布(か、新聞折込みその他これに準ずる方法による配布)され、有権者の皆さまにとっては各候補がどのような人物か、何を訴えているのか、判断する有力なツールですが、選挙公報を発行していない自治体もあるわけです。

実際に私が住む広陵町でも、2016年の町議会議員選挙より選挙公報が配布されました(「広陵町議会議員及び広陵町長の選挙における選挙公報の発行に関する規程」平成28年1月29日施行)。

選挙公報の課題

ただし、この選挙公報には課題があります。というのも、この選挙公報は各自治体の選挙管理委員会がHPにアップするものの、選挙後に削除されている自治体もあるようです。

2019年の参院選前後でも話題になっていましたね!

「選挙公報を消さないで」署名、総務省に提出 「1万7600人の方の思いを受け取って頂ければ」

10道県が開票後に削除=選挙公報、分かれる対応-「検証材料」求める声・参院選

総務省としても、下記のような方針を出しており、残すか残さないかは自治体の判断に委ねられているといえますね。

一方、特定の選挙の啓発、周知活動の一環として行うものではなく、御指摘のように過去の選挙に関する記録として、投票日の翌日以降、選挙公報を選挙管理委員会の記録用のホームページに掲載することについては、次回以降の選挙に係る選挙公報と混同されたり、選挙の公正を害するおそれのない形式で行われるものである限り、差し支えないものと考える。

衆議院議員初鹿明博君提出選管ホームページに選挙公報を継続して掲載することに関する質問に対する答弁書

選挙公報は広く公に、候補者の考えを宣言するものだと思いますので、私もHP上に残すべきだと思います。

選挙公報の提出方法

この選挙公報の提出方法なのですが、なんと専用のフォーマット(台紙)に書いてアナログで提出します。

具体的なフォーマット(各自治体により多少違いますが)や仕様(色々決まりがあります)に関しては横須賀市の藤野市議のブログ(「「選挙公報」の原稿を無事に選挙管理委員会へ提出しました」)を読んでいただくとイメージがつきやすいかと思います。

前職へのエントリーシート(ES)もデータで提出していましたので、紙か。。。と一瞬思ましたが、決まりとあれば仕方ありません。

将来的には広陵町でもデータで提出できるようにしたいですね。

ということで、紙媒体で選挙公報を作成していきます。紙媒体といっても、直接書かないといけないわけではなく(私の字ではとても、、)、データを作成して、印刷してから貼り付けることも可能です。

ですがここがなかなか難しい。。。

黒をしっかりプリントするのは意外と難しい。

ということで、具体的な話に入る前に選挙公報の大事な前提を2つ

  • 白黒でできあがる(最終的なアウトプットは大体新聞みたいなものだと思ってください)
  • 写真製版(写真技術を応用して光学的に刷版(印刷版)の原版となるフィルムを作る技法、らしい)

要するに、白黒の紙で入稿したやつがそのまま版になる、ということだと思います(こうすることで入稿者/印刷者の責任範囲の切り分けが行いやすくなっており、ある種平等と言えるかもしれません)。

つまり、原稿に貼り付ける紙への印刷の質が非常に重要になる、ということです。

なかなかそこまで拘って自分で印刷した経験がある方って少ないですよね。ということで、以下、黒を綺麗に出力するための工夫の記録です。

コンビニ印刷比較

↑色々なパターンで試してみました。

コンビニでプリント

自宅にあったカラリオプリンターが微妙だったのでまずはコンビニで試してみました。

しかし、コンビニでコピーするのは割と面倒。

なにが面倒かというと、広陵町の選挙公報の仕様は大体縦11cm×横8cmなのですが、そんなサイズの紙ってないですよね。コンビニのマルチプリンターはなんと、自動的に紙のサイズ(私が印刷したものだとA4)に合わせてデータを拡大してくれます(なんて有難迷惑な。。。)。

Googleで検索してみると同じように悩んでいた方がいたので、下記のブログを参考にし、なんとか原寸で印刷することができました。

マルチコピー機から原寸で印刷する話

ローソン/ファミリーマート

まずはローソン(ファミリーマート 両コンビニはマルチプリンターが同じです)。A4サイズのデータを作って、原稿データを貼り付け、プリンターの「用紙に合わせて拡大」をOFFにして印刷します。

ローソンやファミマは光沢紙に印刷できるのが特徴ですね。

(*以下、いちいち画像が大きいですが、違いを見比べてみてください。)

↑ローソンでモノクロ×光沢紙。黒がスカスカしています。

↑ローソンでカラー×光沢紙。モノクロと比べてかなり黒の密度が高いです(不思議ですよね)が、まだ少し黒の密度が低い気がします。

セブンイレブン

次はセブンイレブンです。ローソンやファミリーマートとはプリンターのマシンが違います。

↑セブンイレブンでモノクロ×普通紙。拡大して比べてもらえれば分かりますが、文字の真っすぐさが全然違います(ローソン機は文字の縁がギザギザしています)。セブンはこの辺力を入れているらしく、さすがの仕上がりです(しかもモノクロなので安い)。

しかし、普通紙しかないので、台紙にのりで貼り付けたらふにゃふにゃになりそうですね。。。

 

そこに救世主が現れました。

キャノン7色プリンター

自宅にあったエプソンのカラリオプリンターの印刷がいまいちだったのは5色プリンター(黒以外に4色)だったからだと思われるのですが、キャノンの7色プリンターを使わせてもらうことができました。これがすごい。

↑7色プリンターでモノクロ×普通紙。黒の密度は低いですが、文字の枠がギザギザしていません。これは期待できますね。ちなみに、カラーで印刷するときはノズルが詰まっているとうまく色が出ないので、ノズルチェックパターンを印刷し、必要があればクリーニングをします。

↑7色プリンターでモノクロ×コート紙。もうすごいと言いようがないですね。めっちゃ黒い。

↑7色プリンターでカラー×コート紙。

7色すげえ!

出てきた瞬間に、普通に声に出して叫んでしまいました。そう。このクオリティをもとめていました。すごく黒いです。真っ黒。本当にありがとうございます。助かりました!

と、いいつつ現物ができあがるまではここまでのクオリティが必要だったのか(または十分なクオリティなのか)分からないですが、ひとまずこれで提出しようと思います。

多くの方は業者に依頼されており、このような遠回りはされないかもしれませんが、いつかどこかの誰かの役に立てば、とまとめてみました。

まとめると、

  • 選挙公報は7色プリンターで厚めの用紙に刷ろう!
  • もしなかったら、セブンイレブンで印刷して丁寧に貼り付けよう

という感じでしょうか。

いよいよ明日から事前審査です!

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