「GIGAスクール構想の進捗はどうか」奈良県広陵町議会2021年7月
広陵町議会、2021年度7月定例会のちぎた慎也の一般質問の2問目「GIGAスクール構想の進捗はどうか」のやりとりです。
凡例
ち…千北
町…町長
教…教育長
局…教育委員会事務局長
質問事項
GIGAスクール構想の進捗はどうか
第1回目のやりとり
質問事項
- 令和2年度におけるChromebookの活用状況は。
- 令和3年度予算にICT支援員設置のための予算が計上されていたが、既に支援員は設置されたのか。
- 今後の端末の活用計画はどのようになっているのか。
質問の背景
ポイント
- 2021年の春の時点で、あまり端末が活用できていないという情報を聞いた。
- 近隣市町村でも、うまくChromebookを活用している事例も聞いている。
発言内容(千北)
次に大きく2点目の、GIGAスクール構想の進捗はどうか、という点について質問をさせていただきます。1人1台の端末整備を目指し、国が推進しているGIGAスクール構想ですが、本町においても、令和2年10月ごろに端末が納品され、各学校において端末の活用が推進されているものかと思います。しかしながら、本年3月ごろ、保護者のみなさまなどから、端末をあまり活用できていないように思われる、というお声をいただきました。もちろん、コロナ禍での学校行事の対応や、日々の授業準備など、先生方も大変お忙しくされていることかと思います。しかし、他市町村では先進的に利用されている事例もあり、県内で教育環境の格差が広がるべきではないですし、なにより、子ども達には与えられた学習の機会を最大限活かしていただいて、この広陵町からですね、将来の大谷翔平や羽生結弦が生まれてくるような教育環境を作っていければ幸いだと思い、次の通り質問いたします。
第1回目の答弁(教育長)
ポイント
- 令和2年度は学力到達度調査などにChromebookを用いた。
- ICT支援員の配置は完了し、すでに教員向けの研修も進めている。
- 遠隔授業にもチャレンジし、2学期には研究授業をChromebookを活用して実施してもらう予定。
- 県内でも、GIGAスクール構想のトップランナーとして走っていきたい。
答弁内容
まず一つ目のご質問の令和2年度におけるChromebookの活用状況についてお答えをさせていただきます。
経緯として令和2年度は、ご承知いただいているとおり、各学校の環境整備として普通教室、特別教室、体育館のネットワーク整備が必要でありました。Chromebookの活用につきましては、持ち帰りを前提とした対応のため、ルールづくりや情報セキュリティの授業を実施後、1人1アカウントの取得を経て、実際にChromebookにログインして、各学校で利用が開始された状況でございます。
必ずしも十分ではありませんが、小学校においては、12月から1月にかけて実施された県の6年生の学力到達度調査にChromebookを使って調査参加いたしました。
中学校につきましても、調べ学習等で活用した状況でございます。
次に二つ目のICT支援員は既に設置されたかとのご質問につきましては、既に事業者と契約を締結し、6月中に各小中学校との打合せを実施して、現在は第1回の教職員研修を行っている状況でございます。各学校では、更に夏休み中に4回から5回程度、ICT支援員から研修として指導を受ける予定でございます。2学期以降も、引き続き段階的なChromebook活用についての研修を受けるとともに、より高い次元での授業支援の分野にも対応した支援を願う予定であり、円滑にそして有効かつ積極的にChromebookを活用できるよう授業内容等を考慮しながら進めてまいりたいと考えております。
三つ目の今後の端末の活用計画はどのようになっているのかとのご質問につきまして、小中学校では、児童・生徒の発達段階や学習内容により授業や家庭学習で様々な活用方法があると考えております。たとえば、現在も小学校低学年では、ログインの練習やタッチパネル操作の練習、タイピング練習などを行い、中学年では、インターネットを利用して資料を収集するなどの調べ学習に加えて、写真撮影を利用した学習などを行っております。高学年では、授業支援ソフトであるロイロノートを使っての俳句づくりや、総合的な学習の時間でのプレゼンテーション、Googleアプリのクラスルームを使っての課題の回答など様々な活用の取組を行っております。
中学校では、ロイロノートで数学ノートの提出や、英語の発音テストの音声データの提出、また、総合の時間に学習支援ドリルのe-ライブラリーを用いて学習の練習も行っており、3年生は、Chromebookを用いて進路の調べ学習を行うなど幅広い活用を図っております。
また、新型コロナウイルス関連で出席できない生徒に対して、遠隔での授業の取組にもチャレンジしております。
このような各学校においての取組と並行して、GIGAスクール推進委員会で情報共有し、積極的活用を促している状況でございます。定期的に開催しているこの会議では、各校の活用事例を踏まえて、学校間で大きな差違がないように調整するとともに、夏休みの宿題をChromebookで実施することなどの提案があり検討いたしております。
また、2学期にはChromebookを活用した研究授業も各校1回は実施するよう校長会を通じて依頼しております。
今後につきましても、町内全学校でさらに活用を図るべく取組を強力に推進し、県内でもGIGAスクール構想のトップランナーを目指したいと考えております。
2回目以降のやりとり
Chromebookの活用方法
ポイント
- オンライン授業は、今年度内にチャレンジする。
- 町内でのアンケート実施なども、Chromebookを活用していく。
- Chromebookを活用した、他市町村と連携したセミナーの実施や国際交流の実施など、授業に留まらない活用方法も模索していく。
発言内容
ち)申し訳ありません。答弁を拝見しているとですね、私の方にもあの認識の齟齬もあったようでして、しっかりと令和二年度中でも、学力到達度調査等にChromebookも使っていただいていたということでした。さらにですね、熱いメッセージも最後に添えられておりまして、もう一度、読み返させていただきます。県内でもGIGAスクール構想のトップランナーを目指したい、と考えております、と言っていただいておりまして、是非議会からもですね、声をあげさせていただいて、一緒にトップランナーとして走っていければ、と思っております。その中で、いくつか気になることが書かれておりましたので、具体的に質問をさせていただきたいと思います。
遠隔での授業にもチャレンジしていきたい、書かれておりまして、これ非常に良い準備かと思います。と申しますのも、第1回目の緊急事態宣言が出て、学校が休校になったときにも皆さん学校で勉強されていたわけですけれども、そのときにすごく各学校の対応の差が浮き彫りになったかと思います。2回目、3回目以降の緊急事態宣言を見越して対応されているところもあれば、とりあえず今回(=1回目の緊急事態宣言)を乗り切ったらいいか、というようなこともありまして、実際、今回はCOVID-19という形で対処しているわけですが、他の感染症がいつ出てくるかも分からないですし、あるいは、災害によってですね、学校が使える状況でない、ということになった場合は強制的に家から授業に出なければならない、ということも想定されます。それで、遠隔で授業ができるように準備をしていく、ということは非常に意義があることかと思います。このチャレンジをされていくのはいつごろ目途に実現されていく、とかいう方針はあるでしょうか。
教)できれば今年度中にはなんとかこれはしていきたいと思ってます。まずは、この前も7月の校長会ありましたけども、そこで私のアイディアというか想いとして話しさせていただいたのは夏休みの今までは、大体8月6日ですね、原爆が投下された日を平和学習日という形で、全校登校日をだいたい8月6日に設定していました。数年前からですね、その全校登校日もなくなってきた状況がございます。私は、夏休みに子供たちがどうしてんのか、ということを先生がたにやっぱり把握して欲しいな、という思いがあって、ChromebookのMeet(※オンライン会議アプリ)を使って子供たちと、一対一で、いつの時間でも良いので、ちょっとどうしてるか、ということも電話ではなくて、実際に、その画面を見て、話をしてね、短い時間でいいですので、そういうことを全員に実施して欲しい、ということを言うておりました。不登校であったり、課題のある児童生徒については当然ながら夏休みの間にも家庭訪問はしてもらうように依頼してますけど、そうではなくて一般の子供達に何らかの形で、夏休みの間の子友達の状況把握ということで、何かやって欲しいということで、提案をさせていただきました。はたしてこれが、実施してもらえるか、ということは分かりませんが、実施してもらえる方向で進めてもらえたらと思います。
もう一つ、Meetを通じて、オンラインでできることは絶対にやってもらわないといけないと考えております。もう一つは、保護者や子どものアンケートもできればChromebookの中に入れて、家庭に持って帰ってもらって、親御さんのアンケートとかも、子どもから端末を借りて回答してもらうと、そういったアンケートもChromebookでできれば、データも早く収集、処理ができたりしますので、できることは早くしていきたい。とにかく、有効に活用していきたいと考えております。私の想いとしては、県内でもトップランナーになりたいと考えております。
ち)ありがとうございます。非常に会議の様子が伝わってくるようなご答弁でよかったと思います。ありがとうございます。チャレンジしたら以外となんとかできるかと思います。年度内にチャレンジされるということで、期待しております。議会としても先日オンラインで議会報告会を開催いたしまして、なんとかオンラインに強い町ということになっていければ、と考えております。
さて、今触れていただきましたアンケートでの活用ということで、私も後程議論できれば、と考えておりましたらところ、同じ想いを持たれているということが分かりました。今回、県が実施したヤングケアラー及び女性の貧困に関するアンケートですが、6月の中旬に閉め切って、ひと月足らずのうちに集計して結果が出ており、非常にスピーディーだと感じました。それはやはり、今教育長がおっしゃったように紙で書いてもらったものを打ち込む作業がいらないし、同じフォーマットでデータが上がってくるので集計がしやすい、ということもあるかと思いますので、町内での調査や保護者の方へのアンケートや質問事項の取りまとめにも使っていただければ、と思います。
もう一つですね、具体的にお伺いしたかったのはですね、2学期以降にはChromebookを活用した研究授業も各校1回は実施する予定だということなのですが、これは具体的にどういう風な授業の方法というか、中身を考えてらっしゃるのか聞かせていただいてよろしいでしょうか。
教)中身につきましては各学校で考えていただきたいということで話をしています。これも校長会でも毎月ほど言っております。1学期の間は結果的に実施できてなかったんですよ。これは2学期以降に必ず全ての学校でChromebookを使った研究事業をして欲しいので、基本的には、そうなると若い先生中心になってしまうのかな、という風に思うんですけども、とりあえず、日程を決めてほしいという話もしまして、必ず教育委員会の方からその時は見学もさせてもらおうと思ってます。どういう形で活用されているのか、こちらも推進委員会では色々聞いてるんですけども、実際私が5月に見に行かせてもらったときは、やっぱり少なかったですけども、Chromebookを開いて授業をしている風景も見ました。もっと活用していただくことが大事かなと思ってますので、まずは、各学校で研究授業を一回していただいて、それはまあ、教科とか先生方の思いもあると思いますが、理科や算数であれば、比較的やりやすい部分があるかと思います。とにかく1回は実施してもらって、そして、そのときに見られない先生については、録画して後から見てもらうとか、オンラインで他の所で見てもらう、というのも一つかと思いまして、やはり、共有をしてもらうことが大事かと思います。それを見て、また他の学校の先生も、あ、うちの学校遅れてるわ、ということに気づいてがんばろう、という気にもなるかと思います。そういう意味でも全校で研究授業をやって欲しいという話をさせていただきました。
ち)任せることで、それぞれの学校で特色のあるユニークな研究授業が出てくることもあるかと思うんですけども、やはり止まるとこは止まってしまうこともあるかと思いますので、ぜひ、今ICT支援員として関わっていただいている事業者さん、ですね、他の自治体や他の都道府県の事例も知ってらっしゃるかもしれませんので、そのあたりも研修の中に盛り込んでいただいてですね、より自発性を促しながら進めやすいような形を作って頂ければいいのかなというふうに考えております。
もう少し質問を続けさせていただきます。今回ですね、アンケートという形で初めてといってもいいほど皆さんに同じアカウントがあることが生きるような取り組みということがなされたと思うんですけれども、もう少し発展的なことというか、他に工夫をして、皆が同じ端末、アカウントを持ってることを活用できないのかな、と考えておりまして、一つアイディアなんですけれども、Googleのアカウントというわけですので、YouTubeにログインできます。ですので、例えば北葛城郡で同じタイミングでですね、セミナーというか講習を呼んできて来て講習を受ける、みたいなこともできるのではないか、という風に考えております。単独の市町村の予算では厳しい人でも、4町集まったら、ちょっと高い人でも呼べると思いますし、あるいは県下一斉にもし実施することができればですね、非常に著名な方を呼んでくることもできるのではないか、と考えておりまして、そうした形でですね、授業以外でも子供達が色々な刺激とか、話に触れる機会というものを作っていければ、と思うんですけれども、その辺りですね、そういう活用の仕方もできるんじゃないかなと思うんですがいかがでしょうか。
局)ご提案をいただきましたような形でバリエーションを広げていく、というのも活用できれば、と思います。特に、北葛4町では、教育長が北葛教育長が定期的に集まっていただいて、共通でできるようなことがあれば、その形で進めていこうと、そういう合意もございますので、その辺の所にも図っていくと。また、今は学校現場の方で任せて、学校の認識でやって頂かないといけないところと、教育委員会の部局といたしましては、広陵町の電子図書館をChromebookでなんとか活用できないか、というところで、図書館のカードはもう持ってる子供もおりますけども、図書館のカードを作ってもらえたら一人一台の活用としてできるんではないか、というところでこういうところもあのチャレンジしていこうと、いうところで、日々そういう取り組みについては、これからも色々考えていきたいと思います。
ち)ぜひ、これを良い機会にですね、様々なチャンスをですね、子どもたちに与えていただければよいかと思います。もう一つ、これは最後にですね、これはむしろこういうタイミングだからこそ、実現できないのか、と考えているところなのですが、オンラインで国際交流ができないか、ということを考えております。私は高校まで奈良県下におりまして、はじめてしっかり大阪に出たのが大学からだったのですが、同じような偏差値の大阪とか兵庫の高校を出ていた友達の話を聞いていても、やはり周りの人たちの多様性にとても差があると感じました。高校時代に留学に行ってた友達がいたとか、留学に来てる子がいた、とか、そういった人材の多様性とも呼べるようなものが、ざっくりいうと田舎には少ないと感じました。部活は普通にやっていて、勉強は同じようにできても、(そうした様々な刺激に)出会うチャンスがない、と感じました。やはり、そういった環境を作ることが自治体の役目なのだろうなと思ってるんですけども、例えば、ALTの先生がですね、自国に帰ってる時にですね、そことちょっとオンラインでつないでですね、家ってこんなに違うんだ、とか、食べてるものってこんなに違うんやとか、そんなことが分かるだけでいいと思うんです。コロナで、実際はなかなか動けないということをテコにですね、こうした国際交流を進めていただければ、と思うんですけれども、そのあたりいかがでしょうか。
教)私もまさに、とにかくこういった機器を使えば、いわゆるグローバル化っていうかね、特に総合的な学習の中でも言われているのが、国際理解、といった部分がありますので、本当にこのChromebookを使って、色んなところにつながりを持てると思います。それで、それぞれの異文化をまずは理解していく、ということが非常に重要だと考えております。これからの子どもたちは日本に留まるのではなく、世界各国の色んなところに飛んでいくくらいの気持ちがないといけないと考えております。そのためにはChromebookは非常に有用なツールかと思いますので、何らかの形で学校教育の中にでも、私の方からも話をさせていただきまして、世界とつながる何かを考えていきたいと思います。
ち)ありがとうございます。実は私ですね、会社を3年ぐらい前に辞めたんですけれど、その辞めた後にですね、一か月間ですね、11歳の子供達が世界中から集まって、キャンプで過ごしてもらう、というプログラムに引率係として行かせていただいたことがあります。やっぱり、子供達はそういう風な機会が1月でもあると、大きく変わってくるということがございますので、やはり、将来の大谷翔平選手をですね、僕は高校時代野球部やったんで何回も言いますが、大谷翔平を生み出していくためにも、今困ってる子供たちがいれば、その障壁を取り払ってあげてですね、そして、子どもたちの可能性をですね、より開く機会を与えてあげることで、この広陵町からですね、将来のスターが産めるような子どもたちの教育環境・学習環境というものを作っていただくことをお願い申し上げまして、私の一般質問を終了させていただきます。ありがとうございました。