「公式LINEの活用で、”届ける”情報発信を」奈良県広陵町議会2020年6月
広陵町議会、2020年度6月定例会のちぎた慎也の一般質問の1問目「公式LINEの活用で、”届ける”情報発信を」のやりとりです。
(2021年5月19日追記)広陵町の公式LINEがリニューアルされました!
凡例
ち…千北
町…町長
政…まちづくり政策監
教…教育長
局…教育委員会事務局長
次…事業部次長
目次
質問事項
公式LINEの活用で、みなさまの手元へ”届ける”情報発信を。
第1回目のやりとり
質問事項
- 現状の情報発信のあり方についての町の課題意識について
- 公式LINEを活用した情報提供の可能性について
- 公式LINEの登録者の目標数と増加するための施策
質問の背景
ポイント
- コロナ対応中には自治体の情報発信力が浮き彫りになった
- 「何をやったか」も当然重要ながら、「伝えること」も重要である
- 適時、適切な情報を手元へ「届ける」情報発信が必要である
※広報誌は月1回の発行であり、適時に情報提供を行うことはできない。HPは積極的に見に行かないと情報を得ることができない。
発言内容(千北)
今回のコロナウイルスの影響によってですね、各自治体の情報提供力の差というものが明らかになって参りました。
お隣の大阪府では知事が頻繁にテレビに出てきたりですとか、SNSで情報発信をしておりまして、そんな中で奈良県知事はですねメディアへの露出があまりなくて、何もしてないのではないかといったような皆様の声を聞くことも多くありました。実際何をやってるかということが大事なのはもちろんなんですけれども、市民の方々にしっかりと安心をしていただくためにはきちんと情報発信をしていくこと、こいうことやってまいりましたよ、ということを伝えていくことも非常に重要であることが分かった数ヶ月だったのではないでしょうか。
本町におきましても実際は実施済みの取り組みであるにも関わらず、隣の町ではこれこれやこれこれもやっているのに広陵町は何もやってくれない、といった声を聞くこともありました。そんな声を聞くたびに、私からご説明することはできましたが、やっぱりしっかりと町民の皆様にこれはやりました、という情報を発信していくことが重要ではないかと実感することが多々ありました。
現状では月一回の広報誌での発信と適時のホームページの発信が主となっているかと思いますが、月一回の広報誌では適時の情報発信はできませんし、ホームページを定期的に確認する人は非常に少ないというふうに考えられます。そんな中で本町の情報発信としては単に発信すること、知らせましたから見てくださいというものではなく、しっかりと届けたい方の手元へ情報を届けていくようなそんな情報発信のあり方が求められているのではないでしょうか。
具体的な手段としては本町でも公式アカウントを既に持っておりまして日本の人口の66%以上が利用している LINE をさらに活用していくべきではないかと考えており次のようにご質問させていただきます。
第1回目の答弁(町長)
ポイント
- 現状のツールでは適宜適切な情報発信を行うには不十分なところがある
- 町のFacebookフォロワーは899人、公式LINEは712人(2020年6月1日時点)
- 現状の公式LINEは災害情報やコロナ情報など、町民全員に関連する情報の提供に留まる
- 公式LINEをさらに活用する場合、発信頻度や時間帯を工夫する必要がある
答弁内容
1番目、公式LINEの活用で”届ける”情報発信をということでございます。議員ご指摘の通り広報誌での情報発信は月一回であり、ホームページは住民自ら確認しなければ、情報を得ることができません。町広報誌は秘書人事課、その他の印刷物やホームページはそれぞれ担当課において作成し担当部署任せになっているため、適時適切な情報発信を行う観点からも、これら情報統括する仕組み作りが必要と考えております。
適時の情報発信としては現在運用しているLINEとFacebookが挙げられますが、町のFacebookは平成25年9月から始動し、直近でのフォロー数は899人、また公式LINEアカウントは令和元年10月から始動し、同じく712人の登録にとどまっており情報発信ツールとして十分機能しているとは言えない状態でございます。
LINEの情報提供の可能性につきましては、現在今日のLINEは基本的に町からの情報をプッシュ式で流す仕組みで、利用者が投稿すると奈良県が構築したAIチャットボットにつながるようになっており、投稿した質問等に自動で回答する仕組みとなっております。
本町の公式LINE アカウントは令和元年に奈良県内の5団体が県出資のもとAIチャットボット導入する事業の際に取得したもので、近隣市町のLINEアカウントの利用動向なども参考にし、災害情報や今回の新型コロナウイルスへの今日の対応状況など町民全体に関わる情報のみ発信するというルールのもと限定的に運用してまいりました。
また、チャットボット機能はまだまだ質問の回答内容が十分でなく改善の余地を残しており、チャットボットがあることでかえって使いにくい印象を持たれているところもございます。
なお、現在の広陵町の公式LINEは完全な双方向通信とはなっておりません。また、LINEはホームページやFacebookとは異なりユーザー側の都合に関係なく通知されてしまうため、発信頻度や発信時間の調整が必要となります。
今後 LINE での情報発信を積極的に行っていくにあたっては運用面での見直しはもちろんのこと、同時にスマートフォン等をお持ちでない住民の方に対してもさまざまな工夫をしながら、より充実した情報提供を行っていく必要があると考えております。
最後にLINEの登録者数目標につきましては、現在は設定はしておりませんが、もっと多くの方に公式アカウントを知っていただくためQRコードを記載したチラシの作成やミニ看板の設置など順次おこなってまいりたいと考えております。
2回目以降のやりとり
ユーザー情報等に基づく選択的な情報提供について
ポイント
- ユーザーごとに選択的に情報を提供することは、LINEの機能として可能であれば実施に移す
発言内容
ち)基本的な方向性ですね。適宜・適切な情報を手元へ届けていくというな方針については、ご納得いただけたものかと思います。
また、現状の公式LINEの活用方法として、災害情報や新型コロナウイルス感染症の対応状況などを送ってくださっていると。私も受信しておりまして、こちらの方を拝見させていただいておりました。
毎年大きな台風も来ていることで、防災情報をまず発信していくというのは重要になってくるものじゃないかというふうに考えております。
そしてもう一つ、町民全体に関わる情報のみを発信するというルールのもと限定的に運用してきたという風にあるんですが、個人的にはですね、手元に届ける情報提供というものはもう少し可能性があるものというふうに考えております。と、申しますのは、今の各自治会内での情報の提供等がですね、有線放送と回覧板でなされてるわけですね。うちの地元の三吉赤部でもそうなんですけれども、有線放送やって行こうと思ったら有線を引いてもらわないとダメなわけであって、新しく家を建ててくださった方々とかってのは、忘れたりとか、放送鳴るのがうるさいからいらんと引いてくれなかったりすることもあるわけですね。
ではそのように引いていたとしても、有線放送流れてる時に家にいなかったら、その情報が受け取れないわけであって、各自治会等の情報提供というものにも課題が出てきてるところかなと考えております。
全体に関わる情報発信のみではなくてですね、例えば、そのユーザーの情報を登録してさえいれば、その人の地域の情報が提供されるとか、あるいは自分が興味あるものを登録していれば、例えば、まちづくりに関する情報は興味あるから提供される、っていったような各ユーザーごとに選択的に情報が発信できるような仕組み、というものをさらに付加していただくことができれば、各自治会の中でなかなか情報が届いてないという課題も、赤部の人には赤部で流れた自治会内での有線放送の内容をLINEにも届けてくれるということをしていただければ、届けたい人のところに情報が届くようになるんじゃないかなというに考えておりますけれども、そうしたユーザーごとに情報を出し分けたりする仕組みについてはいかがでしょうか。
政)LINEの機能を調べてみると、そういうことを付加することが可能です。そういった意味では、今は全体としてますけれども早急に検討してそういう地域限定とか、どういう形のくくりにするかのニーズ。地域だけではなくて、例えば職種だとか同じ仕事をしてる人たちとか、そういう分類もできますのでこれはあのLINEの方の設定の問題ですので、ちょっとどういうことができるか早急に検討しまして、可能であれば実施に移したいと思います。
その他のSNSの運用やスマホをお持ちでない方への情報提供について
ポイント
- 広陵町の全住民に情報が届けられるように色々な手段を設けていく
- ツールが増えた際の管理コストはRPA等の活用で削減・効率化していく
発言内容
ち)ご答弁の中でも頂いております通り、スマートフォン等をお持ちでない住民の方々に対しても、工夫をしていくことも必要でございますし、あるいは触っているSNSが町民の方々それぞれで違ってくることもあるかと思いますので、情報提供の手札を増やしていくことが重要になってくるのないかなと、考えております。現場FacebookとLINEということですけれども、その他のSNS等のツールを運用していくことというのは考えていらっしゃいますか。
政)基本的にこれからの災害情報とか、今回のコロナもそうですけれども、とにかく広陵町の全住民に情報がいくということを実現したいと考えております。そういった意味では、色んなツールを持っていますので、持ってる人持ってない人、とにかく、何らかの形で情報がいくという形にしたいと思っているので、当然、スマホを持っている人はスマホ、それからホームページを見られる人はホームページ、どうしようもない人は、地域で回覧板のように「逃げてください!」と言ったことも考えながらやらないといけないので、全ての人に情報提供する仕組みを構築したい。
ち)すべての方に情報を提供していくことは重要ですね。情報が届きにくい方々に対しては、「周りの方々に声をかけてください」という旨の一言を添えた情報発信をしていけば、周りの方々に声をかけて動いてくれるのではないか。
ただ、色んなツールで情報発信していくときに大変になってくるのは、現状でも、ホームページを更新する方、Facebookを更新する方、LINEを更新する方、あるいは防災無線を打ったりする方がいらっしゃると思いますが、色んな操作が必要になり大変になってくると思います。そういったときに、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)等を活用すれば、作業量を減らして、かつ確実な情報発信ができると思いますが、その辺の運用に対する考え方はいかがでしょうか。
政)議員のおっしゃる技術は今もう実現できております。広陵町も、災害情報も安心安全課でそれぞれのツールで別々に打っているんですけれども、一回打つと全部のツールに自動で変換されていくということを、今考えています。技術的には可能になっています。逆にいうと、打った言葉がそのまま防災無線にいく、打った言葉で自動でホームページが作成される、打った言葉がそのままFacebookやLINEで流される。既に検討しておりまして、この夏くらいにどこかの地域で実証実験できれば、と考えている。