広陵町版パートナーシップ宣言制度の実施を!奈良県広陵町議会2022年6月
広陵町議会、2022年度6月定例会のちぎた慎也の一般質問の1問目「広陵町版パートナーシップ宣言制度の実施を!」のやりとりです。
凡例
ち…千北
町…町長
地…地域振興部長
目次
質問事項
広陵町版パートナーシップ宣言制度の実施を!
第1回目のやりとり
質問事項
- パートナーシップ宣誓制度の意義について、本町の考え方は。
- 広陵町版パートナーシップ宣誓制度を導入すべきだと思うがどうか。
質問の背景
ポイント
- 法的に同性婚が認められておらず、生活の不便さと心理的な辛さを抱えている方が本町にもおられる
- パートナーシップ宣誓制度は自治体単位で取り組めるので実施して欲しい
発言内容(千北)
本当は、同性婚を認めてほしいけれども、法律の問題もあり、なかなかハードルが高いことは理解できる。でも、地方自治体単位で取り組めるパートナーシップ宣誓制度すらないのは、社会から見放されているように感じる。これは実際に私が聞いた言葉です。一般社団法人日本LGBTサポート協会によりますと、2021年10月時点で130の自治体でパートナーシップ宣誓制度が施行されておりますが、まだまだ未施行の自治体が大多数を占めてございます。奈良県内では、奈良市、大和郡山市、生駒市、天理市の4市がパートナーシップ宣誓制度を実施されてございます。
先ほど申し上げましたようなパートナーシップ宣誓制度が未施行の自治体に住むLGBTQの方々や同姓パートナーの方は、冒頭で紹介した方と同じような思いを持っておられるのではないでしょうか。SDGs未来都市であり、第5次広陵町総合計画において、「誰もがお互いの人権や多様性を尊重し合い、全ての住民が自分らしく暮らし続けることができるまちをめざします」と掲げている広陵町としては、制度の壁に苦しむ性的マイノリティの方々に寄り添う自治体という意思表示として、パートナーシップ宣誓制度を施行すべきではないでしょうか。以上を踏まえまして、次の点につき、質問いたします。
第1回目の答弁(町長)
ポイント
- 行政が同姓カップルを認めることは意義がある
- パートナーシップ宣誓制度導入自治体の取り組みを研究し導入に向けて検討する
答弁内容
一つ目のパートナーシップ宣誓制度の意義に対する本町の考え方についての御質問にお答えいたします。
誰もが自分らしく生活することができ、人権や多様性を認め合う共生社会の実現に向けて、行政が同性カップルを認めることは、差別や偏見の解消、性の多様性に対する認知について、住民や事業者に理解が広がる意義ある取組の一つであると考えております。
二つ目の町版パートナーシップ宣誓制度を導入すべきではとの御提案についてお答えいたします。
東京都渋谷区と大阪市から指定を受けたNPO法人「虹色ダイバーシティ」との共同調査では、2022年4月1日時点で209の自治体におきましてパートナーシップ宣誓制度が導入されており、全国的に広がりがあると認識しております。奈良県内では、奈良市、生駒市、大和郡山市、天理市の4市におきまして導入されている状況でございます。
各自治体が同性同士のカップルを婚姻に相当する関係と認め、証明書を発行するこの制度につきましては、婚姻制度とは異なり2人の関係を法的に保護するものではなく、相続や税金の控除などの法律上の効果はございませんが、さきにもお答えいたしましたとおり、人権や多様性を認め合う共生社会の実現に向けて意義あるものと考えております。
このことからも、まずは導入自治体の実施内容や制度導入に伴う行政サービス等の確認を行い、制度内容を熟知した上で導入について検討してまいります。
2回目以降のやりとり
広陵町版パートナーシップ宣誓制度の実現に向けて
ポイント
- 奈良市、天理市にヒアリングも行った。引き続き導入に向けて研究していく。
- 現実に苦しんでおられる方々がいる中で、行政としては必要な対処をすべきだと思う。
- パートナーシップ宣誓制度は中和地域で実施している自治体がなく、広陵町だけでなく、近隣自治体に住む当事者にも後押しとなる。
発言内容
ち)まず一つ目、パートナーシップ宣誓制度についてというところなんですけど、これ先日ちょっと教えていただいたんですけれども、広陵町議会としては、平成29年の12月議会で性的マイノリティの方のための社会環境整備を求める意見書というものを出されていて、議会としても、昔からこういった課題に取り組んできたというところでございます。
まず最初の質問として、パートナーシップ宣誓制度の意義はというところに対して、行政が同性カップルを認めることは差別や偏見の解消、性の多様性に対する認知について、住民や事業者に理解が広がる意義ある取組の一つであるというふうにお考えのほう示していただきました。私は、もう少し広くやはりパートナーシップ宣誓制度を作ることには意義があるのではないかと考えております。
一番最初、冒頭の質問のときに挙げさせていただいたお声ですけれども、あれ当然、実際の方の声で、かつ広陵町にお住まいの方からいただいた御意見だったわけでございます。お話をさせていただいていると、やっぱりこの近隣地域、広陵町の近隣地域では、パートナーシップ宣誓制度を実施している自治体ないわけですが、やっぱり自治体としてパートナーシップ宣誓制度がないことによって、自分たちもなかなかカミングアウトもしにくいし、相談もしにくいというふうにおっしゃっておりました。パートナーシップ宣誓制度があるから、そういう方がしっかりと声を上げやすいのか、あるいは、声が上がってくるからパートナーシップ宣誓制度ができるのかという、卵が先か鶏が先かという問題があるわけなんですけれども、やはり行政としては、社会情勢を踏まえた上でしっかりと受け入れる体制が整っているんだということを示すことが、むしろ町内におられる方、あるいは広陵町の近隣自治体にお住まいの同性パートナーの方々にも心の安らぎというか、自分たちの性的指向がこれでいいんだというふうに認めてもらえるような安心感を持ってもらえると、そういうふうな当事者の皆様に対する意義というものも、やはり大きいのではないかなというふうに考えております。
そんなところで、この広陵町って実際に同性パートナーの方々がおられなくても意義がある制度だと私は思っているんですけれども、実際に広陵町にはそのような方がおられる中で、今いただいた御答弁は導入自治体の実施内容や制度導入に伴う行政サービス等の確認を行い、制度内容を熟知した上で導入について検討してまいりますというところで、ネガティブではありませんが、若干、冷たいなというような印象を受けました。県内で実施されているパートナーシップ宣誓制度を見ておりますと、例えば奈良市にヒアリングさせていただいたんですが、予算としては、年間の予算はほぼかかっていないとおっしゃっていました。要するに、予算書に計上するようなコストはかかっておらず、宣誓書であるとか、パートナーシップ宣誓カードといったものは、基本的には職員の方で自作されていて、いうたら事務費だけというか、職員の方の人件費だけでこの制度は運用できているんですとおっしゃっておりました。
そのような形で、いろんなグラデーションはあれど、費用をかけずに、まずは自治体としてのスタンスも示すということから始めることも可能な制度かと思うんですけれども、やはり実現に向けてはハードルがあるんでしょうか。
地)このパートナーシップといいますのは、町長の答弁にもございましたように、奈良市、それから大和郡山市、それから天理市、それから生駒市、この4つが県内でされているということで、私どものほうは、奈良市、それから天理市のほうにお話を聞かせていただきました。その中で、奈良市といいますのは、令和2年4月から導入されておりますので、当然四、五年かけていろいろなことを研究しながら制度を作ったということでお伺いしております。
次の令和3年4月に天理市で作られましたけれども、それにつきましては、やはり奈良市のいろいろな研究もございましたので、その研究をいろいろ聞きながら、やらなければいけないというふうに感じたところから、1年でこの制度は作り上げたというふうには聞かせていただいております。ただ、この制度自体、私いろいろ調べる中で、この一つの自治体、自治体だけでいいのかどうかというところをすごく疑問に感じました。
いろいろ見ておりますと、転出したらこの宣誓制度はなくなるということです。例えば、広陵町に住んでおられる方が広陵町で宣誓制度を今きちっとうちが整備したとして、宣誓制度でカードを渡させていただいたとしても、ほかの市町村に行かれた場合、どうしても、そこがやはりなくなってしまうということは、次のところに行きづらいというところもございますので、このあたりは広陵町だけで考えるのではなく、近隣と共にちょっと考えていかせていただくほうがいいのではないか、もしくは、ほかの市町村でやられているんですけれども、連携を結びまして、そこの市町村に行けば同じ宣誓制度が使えるというような仕組みもあるということも聞いております。ですから、ハードルというよりも、やはりこの小さな広陵町一つでいいのかどうかというところが私ちょっと疑問に思っておりますので、そのあたりもしっかりと研究しながらやってまいりたいというところと、それからもう一つは、行政の中での手続でございます。手続につきましても、宣誓制度、例えば協働のまちづくり推進課のほうで宣誓制度のカードを交付をさせていただいたとしましても、やはり庁内の各担当課が認識する必要もございます。そのあたりも含めまして、お時間をいただきたいというところでございます。
ち)ありがとうございます。何点か御説明いただいた中で、私、非常に重要だと思ったのが、転出のときの話を、今、栗山部長のほうからされました。実際、パートナーシップ宣誓制度が自治体間で共有できないことによって転出しづらくなるんじゃないかということでしたけれども、むしろ逆もあるかなと思っておりまして、やはりお話を伺っておりますと、自分の自治体にパートナーシップ宣誓制度がないんだと。近隣で見てみると、大阪市等では、そういった制度も実施されているわけでございます。むしろそういった制度のあるなしによって、人材の流出が起きる可能性もありまして、やはり多様性を認めることによって、様々な人材を呼び込むことができる、あるいは留めておくことができる重要なファクターになるのではないかなというふうに考えております。
あと、小さな広陵町という自治体だけでやってもどうかという点、今もございましたけれども、基本的に広陵町だけでやってもどうかなという部分であるとか、手続的な部分のハードルの高さというか、様々な考えないといけない事項というのは、どうしても行政側から見た制度の実現に向けた障壁というか、検討しなければいけないことだと思います。やはり話を伺っておりますと、同性パートナーの方々それぞれがやっぱり自治体から認めてもらえていない、別に法律を変えなくても自治体レベルで実施できる制度で、かつ、条例施行というハードルが高いものじゃなくても、実施可能な仕組みなのにもかかわらずやっていただけていないということが非常に苦痛なんですということをおっしゃっていました。そのコミュニティが広陵町だけにかかわらず、この辺中和地区ぐらいであるらしいんですけれども、この中和地区の自治体全体がやはり冷たいように感じるとおっしゃっていて、全然ハッピーじゃないわけですよ。やっぱりBe Happyと掲げるんであれば、もう目の前に既に生きづらさを抱えておられる方がいらっしゃる中で、解決策も見えているというところで、やはり実施する、実施しないという選択肢があるというのがなかなか理解しづらいところではございます。もちろん、調整や調査が必要だということは分かるんですけれども、現実に今生きづらさを抱えていらっしゃる方々に、自治体として、やはり性的少数者のパートナー同士であるとか、そういった多様な関係性を認めてあげますよ、受け入れていますよというようなスタンスを示すことというのが、まずもって一番重要になってくるかと思うんですけれども、やはりこの問題は、当然、部署間の調整も必要になってくることで、一つの担当課、担当部署と話し合いを進めていてもなかなか実現に向けてはハードルもあるのかなというふうに理解はできるところでございます。
やはり、自治体のリーダーとしてどのようなお考えのもと、この町政を運営されていくのか、そして、どのようにしてLGBTQの課題に向き合っていくのかという姿勢が問われているところかと思うんですけれども、町民ファーストの目線で、山村町長いかがでしょうか。
町)担当のほうがお答えしたように、いろいろな準備も必要、研究も必要ということを申し上げております。やはり宣誓しただけで社会全体が受け入れてくれたということにならないというふうに思います。社会全体の合意をどうとっていくか、理解をどう深めていくかというところをやはり町の責任者としてしっかりと皆さんに認知をしていただく、いわゆる差別を生まない社会、温かい地域社会を作っていくということをやはり進めていった上で、その延長線上で、このパートナーシップ宣誓制度も実現できるというふうに考えております。
私も人権啓発連協の県の組織の役員もさせていただいておりまして、町の会長でもございます。やはり人権問題、人が差別のない明るい社会で暮らせる、そういう社会を実現していくということですので、差別というのは様々な差別があるわけでございます。パートナーシップ、いわゆる同性婚についても、社会的にまだまだ十分受け入れられていない部分もあるんではないかというふうに思います。私も四、五年前に馬見丘陵公園でレインボーフェスタがございまして、同性婚をされている方がこのフェスタを催すので、ぜひ町長来てくださいということで、河合町も行かれたというふうに思いますが、その場所で、そういう同性婚を目指しておられる方、また考えておられる方が集まられて、いろいろと情報交換をされた催しがございまして、私も参加をいたしました。そのときも広陵町のほうへ来られた方は、やはり認証制度を全自治体で受け入れてもらいたいということもおっしゃっておられまして、その方は広陵町の方ではなかったわけです。今、千北議員からは、広陵町にそういう方がおられるということでもございますので、担当のほう、しっかり研究、整備をした上で、住民の皆さんとの合意を前提として、やはりこのパートナーシップ宣誓制度も導入に向けて行政としての責任を果たしていきたいというふうに思います。少し時間が必要かなという気はいたします。
ち)ありがとうございます。レインボーフェスタにも御参加されたというところで、基本的には、そういった表に出てこられる方というのは、ある程度自分の性的指向性をオープンにすることを決めた方々で、そうではない方々もやっぱりたくさんおられるわけです。そうした方々が、むしろ何も言えずに我慢している状態というのが今の状態なのではないかと思います。手を上げることもやはり勇気がいることですし、私に連絡くださった方も、非常に勇気を出して連絡をしてくださったと御自身で語っておられました。やっぱり聞いてもらえるかどうかが不安な中で、声を上げるというところが非常にハードルが高いというところは御理解いただきたいところかと思います。だからこそ、やはり町として受け入れる体制を示すことが、声を上げられていない方々に対しても手を差し伸べられるようなやり方なのではないかというふうに思っているところでございます。
また、時間がかかるということでしたけれども、当然必要な調整や調査はなされるべきですが、実際、奈良市の仕組みを参考にされて、天理市さんもスピード感のある形で実現されたので、まずは骨格を整えて、社会情勢に合わせて必要な部分を肉付けしていくというところも自治体の行動の仕方としては考えられるんじゃないかというふうに思います。
どのような手続き・制度にするか
ポイント
- 宣誓手続きは、センシティブな面もあるので、当事者に配慮できるようにする。
- 宣誓によって受けられる行政サービスには限界があるが、民間企業の家族向けサービスを利用できるものがある。
発言内容
ち)というところで、そういった形で、前に向いて進めていただきたいわけですが、実際の中身について、幾つかちょっとディスカッションさせていただけたらと思います。
先ほど申し上げたように、やはり性的マイノリティの方々、同性パートナーの方々も社会に認められたいという思いもある中で、やはり制度があったとしても、自分たちが100%皆さんから受け入れられるわけではないのではないかというようなことも懸念されています。それぞれ皆さんがお持ちの趣味・嗜好であったりも、みんなに受け入れられるわけではないと思いますので、そのあたりは普通かと思いますが、なので、宣誓に行く際も、2人で一緒に役所に来てくださいであるとか、例えば新聞に載りますとか、テレビに載りますとか、何かそういう派手なものは要らないんですと。ただやっぱり仕組みがあることっていうのが心理的には一番大事で、かつ、提出は、だって婚姻届を出すときは、すっと行って、ぱっと帰るじゃないですかと、そんな大げさにしないでくださいという意見もあって、やはりそのあたりも、制度があるからこそ、こういう機会が必要だろうというような、僕ら側からの考えではなくて、やはりLGBTQの方々に配慮したやり方も必要なんじゃないかと思っておりまして、そのあたり、実際に宣誓に行く手続的な面で、今、栗山部長が考えていらっしゃる方法があれば聞かせてください。
地)天理市のほうに伺いますと、やはり千北議員おっしゃるように、宣誓に行かれる際には、特別な配慮をいろいろされているということで聞いております。センターのところの一つの部屋で2人が宣誓をされるというような手続にされているということで、広陵町のほうに合わせてみますと、恐らく住民課のほうで婚姻届のように出されて、宣誓しますというのではなくて、やはり担当課、人権のほうの担当課のほうが、きちっとした部屋を設けて、ちゃんと宣誓をしていただければいいのかなというふうにも考えておりますので、そのあたりは御配慮をさせていただきながらさせていただきたいと思っております。
奈良県のほうでは、郡山市のほうで2021年10月現在では5組、それから奈良市では5組、それから生駒市で、この生駒市は令和3年からなんですけれども、1組ということで、天理市のほうは宣誓制度ありますけれども、まだゼロ組ということで聞いておりますので、やはり届出がある人がおられるかどうかというところよりも、やはりこの姿勢というところ、千北議員のほうはずっとおっしゃっておられまして、かなり生きづらさを感じておられる方に対してどういうふうにしていくかというところは、しっかりとやっていきたいと思いますけれども、とりあえずは宣誓していただくには、配慮をしていただきながら、させていただきながらやっていきたいなというふうに考えております。
ち)ありがとうございます。今、部長がおっしゃったように、そのあたりをきちんとLGBTQの皆様に寄り添った制度設計というものが大事ではないかというふうに考えております。先ほど町長も、やっぱり宣誓するだけでは意味がないんじゃないかと、しっかりと社会の同意をとっていく必要があるんじゃないかということでしたが、やはり基本的にLGBTQの同性パートナーの方々がおっしゃっているのは、なぜ一般的な別の性別の夫婦のように行政サービスが受けられないのかというところが一番何とも理解というか、しにくいところだというふうに思います。
そんな中で、パートナーシップ宣誓制度でできることって、様々な仕組みを作られている自体がございます。例えば奈良市であると、町営住宅に家族として入る権利があるとか、あるいは住民票とか、そういう書類を取るときに同居人として取れるとか、そういった様々なことがあるんですけれども、やはりそういう社会的な変化に敏感なのは民間企業だと思っておりまして、民間企業の中にも家族で使えるサービスが様々あるわけでございます。例えば家族割的なものであるとか、あるいはクレジットカードの家族カードとか様々あるかと思います。今ここに、私、某携帯電話会社の家族割の制度の資料を持っているんですけど、ここに書かれているのは、皆さん、携帯契約される際に家族割使われていると思うんですけど、必要書類が家族の証明として必要な書類が、三つのうちどれかを持ってきてくださいと書いていて、一つが戸籍謄本、一つが住民票記載事項証明書、もう一つが同性のパートナーシップを証明する書類と書いているわけであります。ですので、自治体としてパートナーシップ宣誓制度の中で設けているサービスの種類がそこまでなかったとしても、自治体がやはり証明をして、書類を1枚発行するということは、同性パートナーの方々にとって、ほかの様々な民間企業が出しているサービスを家族として享受できるというメリットもあるかと思うんですけれども、そのあたりいかがでしょうか。
地)千北議員おっしゃいますように、携帯電話の家族割いけるようになったという情報も得ております。また、クレジットカードの家族カード、それから、いろいろな会社で、今度は会社の福利厚生の利用も今できているという情報も得ておりますし、生命保険の受け取りに関しても、これが可能になっているというところで、民間企業はどんどん先行して動いております。その波の中で、どのように広陵町のほうさせていただいたらいいのかというところは、しっかりと見極めながらやっていきたいと思いますけれども、民間企業がこのように動いている中、決して広陵町だけ、いやいや、しませんよということは決してないということは御理解いただけたらと思いますが、しっかりと研究して前に進んでいきたいと思います。
ち)ありがとうございます。制度の意義についても、そして実際、実質面ですね。同性パートナーを家族として暮らされている方々への証明書を発行することの実質的なメリットが外にもあるという点についても御理解いただけたかと思います。
最後に、私が町内にお住まいのパートナーの方から御質問いただく中で一番印象的だったお話をさせていただいて、一つ目の質問を閉じさせていただきたいと思います。
思春期に差しかかっていく中で、自分がほかの同性の友達と比べて、好意を持つ相手が違うんだなということに気付き始めた時期がやっぱりあったそうであります。そういったことに気付き始めたときぐらいに、自分は人と違うんだなというところで、すごく苦しい経験をされたらしく、その時点では、そのまま自分が大人になって、みんなと同じように社会人として楽しく暮らせるようなイメージを持つことができなかったというふうにおっしゃっておりました。幸いその方は、何とか今まで元気にお過ごしになられて、そして、一緒にいたいと思えるパートナーを見つけられたので、何もなくて良かったなと思うところなんですけど、やはりパートナーシップ宣誓制度を設けるということを冒頭から申し上げていますが、自治体としてそういう受け入れる体制がありますよと示すことは、当然、今まさに悩んでいらっしゃる方々の気持ちを救うことにもつながりますし、今この広陵町で、制度が始まれば、近隣市町村にお住まいの同じような考え方の方々を救うことにもなると思いますし、さらには、もしかしたら、今まさに悩んでいる子供たちであるとか、将来、このまちで生まれて育つ子供たちのアイデンティティであったりとか、自尊心を救うことになるような仕組みかと思いますので、そういった非常に大きな意義のある制度だと思いますので、そのあたりしっかりとお声や生きづらさに向き合っていただいて、実施に向けて取り組んでいただけたらと思います。
というところで、長くなりましたが、一つ目の質問を閉じさせていただきまして、二つ目に移りたいと思います。